*「紛争の被害者を平和構築の担い手に」JCCPはアフリカ・中東の平和構築を支援する認定NPO法人です。 

魚売り、ルキアの話

 2016年7月


ソマリア北部のプントランド州ボサソ市で実施した「ジェンダーに配慮したボサソ市場の修復と起業家の育成を通じた紛争予防及び社会安定化」事業が完了しました。事業で配布した道具がどのように活用されているのか、ソマリアの女性に話を聞きました。

ルキアは10年前に、親戚の助けで、魚売りの仕事を始めました。夫を亡くした後、6人の子どもたちを育てなければならなかったからです。ルキアの故郷、ボサソ市はアデン湾の南岸に位置しており、大きな港もあります。この町は商業の要衝として栄えてきました。ルキアのような女性たちも、港で漁師からその日とれた魚を受け取り、積み降ろします。

ソマリアRuqia.jpg        ルキア(右) 冷却ボックスの中には、新鮮な魚が入っている

ルキアの一日は、朝の4時半に始まります。朝の礼拝後、魚市場に行く準備をして、漁師から一番状態の良い魚を選んで仕入れます。ルキアはときに夕方4時半まで市場で魚を売り続けます。「私は子どもたちに食べさせ、服を買わなければなりません。学校の授業料や日用品を買うのにもお金がかかります。家族の面倒をみることができるのは、私だけです。他に頼れる人はいません。家族のために働くことができる健康な体を与えてくださった神さまに感謝しています。」

しかし、ルキアの商売は最初からうまくいっていたわけではありません。「以前は、魚を新鮮に保つことも、新鮮なうちに他の町に住む顧客に届けることもできませんでした。冷却ボックスがなかったために、お客とお金を失いました。」仕方なく、ルキアは冷却ボックスを持っている他の魚売りたちに、遠くの町に住む顧客に仕入れた魚を配送してもらうようお願いしていました。けれども、みな自分の顧客を優先するため、交渉は常に難航していました。

ルキアの商売を支援するため、JCCPと現地パートナーの紛争暴力予防研究所(OCVP)は彼女に魚用の冷却ボックスを含む「起業支援キット」を配布しました。2016年7月20日、市場にあるルキアの売り場を訪問したところ、ルキアが仕入れたカツオやマグロなどの大型魚でいっぱいの冷却ボックスが、ちょうど隣町ガロウェ市の顧客のもとへ発送されたところでした。午後には、空の冷却ボックスが戻ってくる仕組みです。ルキアは冷却ボックスを魚の保存や輸送のために、効果的に使っていました。
「私は事業をもっと成長させたい。貯金して、もっと立派な魚業者になるために、もうひとつ冷却ボックスを買いたいんです」彼女は今、自信に満ち溢れています。