*「紛争の被害者を平和構築の担い手に」JCCPはアフリカ・中東の平和構築を支援する認定NPO法人です。

ソマリアの平和構築能力強化のためのフィールド調査

ケニアとソマリアの研究者らが、共に東アフリカ地域の平和と安全をめぐる問題について協力し合う画期的な取り組みが行われています。

ソマリアの状況

ソマリアでは、1991年に勃発した内戦から20年以上無政府状態が続き、これまで「破綻国家(Failed State)」として認知されてきました。また、植民地時代の複雑な歴史を背景に、北西部のソマリランドは独立宣言し、北東部のプントランドは自治宣言をし、国家は事実上3分割されています。このような状況の中、ソマリアの人々は国際社会とともにソマリアに法と秩序を取り戻すための様々な試みを行ってきました。

ソマリア南部・中央地域では依然として散発的な紛争が発生していますが、2012年には民主的な連邦中央政府がモガディシオに設立され、新しい秩序への転換期を迎えています。

ソマリアの国家再建や平和構築・安全保障のために必要な情報収集と分析を目的として、ケニアの国際平和支援研修センター(IPSTC)はソマリアの紛争暴力予防研究所(Observatory of Conflict and Violence Prevention; OCVP)と協力し、合同調査事業を2013年5月から12月までの予定で行っています。日本紛争予防センター(JCCP)は、これら二つの稀有な研究機関を引き合わせ、現地の研究者の能力強化を支援するとともに、東アフリカ地域における平和構築分野の知的交流を促進しています。


合同調査の内容

2013年7月に、JCCPの支援を受けて、IPSTCの研究者が北西部ソマリランドのハルゲイサにあるOCVP施設を訪れ、調査内容の検討が行われました。その後、OCVPは現地の大学や市民団体と協力しつつ、現地調査員の採用や専門技術研修を行いました。

ソマリ人調査員11人が参加した2013年8月の調査手法研修では、平和と安全に関する調査の具体的なテーマについての理解を深めてもらうと同時に、フォーカス・グループ・インタビューなどを活用したフィールド調査手法、レポート作成方法、会計報告にあたっての注意について実践的な訓練が行われました。

研修後に調査員らはソマリア全土8つの地域に赴き、市長、若者、実業家、国内避難民などへのインタビューを行いました。フィールド調査は9月中旬に完了し、10月現在、IPSTCに送られたデータはケニア人研究者らによって分析され、研究報告書の執筆が進んでいます。

ソマリア全土から集まった調査員_Oct2013.pngソマリア全土から集まった調査員 プントランドの国内避難民との参加型インタビュー_Oct2013.pngプントランドの国内避難民との参加型インタビュー