*「紛争の被害者を平和構築の担い手に」JCCPはアフリカ・中東の平和構築を支援する認定NPO法人です。

ケニア
心理社会的支援活動 米国人研究者による外部評価

<2014年3月>

JCCPでは、犯罪被害者や犯罪のリスクにさらされている住民などに対し、住民の中から選出されて研修を受けたカウンセラー(コミュニティ・アニメーター)が心理社会的支援や専門機関の関連サービスの紹介を行い、被害者が尊厳を回復して社会的に自立できるような支援を、マザレ・スラムにて行っています。また主要地区ごとに「チャイルド・セラピー・ルーム」を整備し、犯罪被害者や犯罪のリスクにさらされている子供たちや住民に対して、コミュニティ・アニメーターが中心となってカウンセリングを実施しています。

 2010年から2011年にかけて、JCCPはカウンセリングを受けた子どもたちやその家族を対象に、カウンセリング前後の心理的ストレスの変化と他者との協調行動の変化について聞き取り調査を行いました。そして今回、その結果をテキサス州立大学院に在籍して研究活動を行っているアレクサンドラ・パスリー氏に分析して頂きました.
 パスリー氏が有効なサンプルデータ18人分を特殊な統計プログラム(SPSS:Statistical Package for the Social Sciences)を使って分析したところ、カウンセリング後の児童の72%に心理ストレスの低下が見られ、特に恐怖感の低下と、無価値観(自分を価値の無い人間と思う気持ち)の低下が著しいことがわかりました。また、「人に物を貸す」などの他者との協調行動の回数も顕著に増加しました。カウンセリング前は異なる民族の児童と交流した経験の無い児童が約3割いましたが、カウンセリング後は全員が「交流経験がある」と答えました。

ケニアの子どもたち.jpg更にパスリー氏は、現地コミュニティの住民をカウンセラーとして採用・養成する事で、個人の能力強化となるだけでなく、コミュニティ内の住民間の繋がりを強め、活動の持続性や自立性を高める効果が高いと指摘しています。一方で、有効なデータの蓄積を進めてカウンセリングが平和構築にどう役立つのかをさらに詳細に分析する必要があり、データ管理や調査手法の再検討が重要であると指摘しています。



最後にパスリー氏は、家庭や学校関係者にカウンセリングのノウハウを共有することにより、コミュニティ全体への波及効果が期待できるのではないか、と提案しています。
パスリー氏による評価分析書は、今後JCCPの心理社会的支援に活用される見込みです。