*「紛争の被害者を平和構築の担い手に」JCCPはアフリカ・中東の平和構築を支援する認定NPO法人です。

明石顧問のメッセージ

明石顧問のメッセージ

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冷戦が終りを告げた1989年から現在に至る間、世界は民族、言語、文化等の違いに由来する地域紛争に直面することになった。90年代に展開した国連平和維持活動においては成果もあったが、国連の限界が露呈される事態もあった。アナン事務総長は、貧困そのものが紛争の原因であるとの俗説に対し疑問を挟み、貧困そのものよりも、国内各グループ間の不平等、とりわけ政治権力へのアクセスの不平等が武力行使に至と述べ、民族、宗教、或いは国民的「神話作り」や、「憎悪を造成するメディア」の役割、「政治的デマゴーグ」の存在への対処を求めている。

 このような地域紛争や2001年9月11日以降のテロリズムを防止すべく、紛争予防の重要性が近年強調されている。紛争予防に関しては、国際社会が国連憲章の原則、法の支配、民主主義、社会的正義、人権の尊重等に基いて政治、経済、環境、社会及び開発面の各政策を包含する包括的なアプローチを採用することが必要である。他方、紛争予防措置のメカニズムを段階的に捉え、①一般的予防努力の段階、②紛争予知の段階、③紛争勃発の段階、④和平合意の段階と4つに分けて考えると、①の段階と④の段階において、NGOの果す役割がかなり重要である。紛争の遠因といえる経済的格差、社会的差別、政治的不公平、民主主義の不徹底、人権の侵害等に対処するには、きめ細かい対応を政府に求めるのは困難であり、むしろ市民団体たるNGOが活躍できる分野であるといえる。また和平合意が成立した後で、復旧や復興、民主政治の確立のための自由選挙を実施することなどにNGOが果たせる役目も大きい。紛争やテロリズムの根絶には、国家、国際機構やNGOなど多様なアクターの具体的かつ持続可能な対応と協力が求められる。日本紛争予防センターはその一端としての役割を果たしていきたいものである。

明石 康
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